「もう、このままじゃダメだな」
そう思ったのは、
仕事がうまくいっていない時じゃない。
何事もなく、
ただ時間だけが過ぎていく毎日だった。
手を動かして、
言われた通りに作って、
それなりに評価もされて。
それでも、
「この先も、同じ10年が続く」
そう想像した瞬間、
心の奥が、静かに冷えた。
正直に言えば、
失敗が怖かったわけじゃない。
一番怖かったのは、
「何も選ばなかった人間」になることだった。
年齢を理由に、
現実を理由に、
「仕方ない」と言いながら、
心のどこかで挑戦する人を
見下す側に回ること。
それだけは、
自分で自分を許せなくなる気がした。
それでも、なぜWeb制作だったのか。
「稼げそうだったから」でも
「流行っていたから」でもない。
もう一度、
自分の手で考え、
自分の手で形をつくる側に
戻りたかっただけだ。
表に立つ仕事じゃなくていい。
誰かの想いや価値が、
ちゃんと届く“土台”を
つくる側でいたかった。
これが、Web制作を選んだ理由。
ただ、
そうならずにはいられなかった。
それだけの話。