21年間、和菓子職人として働いてきました。
毎日同じ作業の繰り返しではなく、季節や素材に向き合いながら、一つひとつ丁寧に作る仕事です。
ただ、続ける中で少しずつ感じていたことがありました。
和菓子づくりは好きでしたし、やりがいもあります。
でも同時に、「もっと広い世界を見てみたい」「違う形で価値を届けたい」という気持ちも大きくなっていきました。
目次
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和菓子職人21年間で当たり前になっていたこと
和菓子の仕事をしていた頃は、特別なことだとは思っていませんでした。
同じ商品を作る日でも、その日の気温や湿度、餡や生地の状態を見ながら、少しずつ手を変える。
昨日うまくいったやり方が、今日もそのまま正解とは限りません。
形が揃っているか。
食感はいつも通りか。
お客様に出せる状態か。
そういう細かな違いを見ることは、本当に当たり前になっていました。
Webの仕事を始めてから、この感覚に通じるものを感じました。
同じ業種だからといって、同じ正解とは限らない。
会社の規模も、お客様も、伝えたいことも違う。
だから、まず状態を見る。
これは、職人のころから変わっていないのかもしれません。
日本一周で見えたもの
自分はいったい何がやりたいのか。
それを見つけるため、一度仕事を離れ、日本一周の旅に出ました。
旅をしていく中で出会ったのは、地域で頑張る小さなお店や、こだわりを持って生きている人たちでした。
技術も想いをもって、人生に挑んでいる。
その一方、魅力があるのに、それがうまく伝わっていない。
知られていないだけで、本当は価値があるものがたくさんある。
その現実を目の当たりにして、強く思いました。
「伝わらないことで損をしている人が多い」
Webという手段に向き合う
その時、改めて向き合ったのがWebでした。
もともと趣味で触れていたこともあって、これが一番しっくりきていました。
Webは、場所を越えて価値を届けられる手段です。
しっかり設計すれば、想いも、技術も、ちゃんと伝えることができる。
自分がこれまでやってきた「丁寧につくる」という姿勢を、
今度は「伝える側」で活かせるのではないかと考えました。
そこからIT業界に入り、Web制作の道に進みました。
いいものを作れば伝わる、と思っていた
職人だった頃は、作る側の人間なので、どうしても「ちゃんとしたものを作れば伝わる」と思いがちでした。
でも、売場ではそうではありません。
名前を知らなければ選ばれない。
違いが分からなければ、価格で比べられる。
こだわって作っていても、その背景がお客様に伝わるとは限らない。
作ることと、伝えることは別の仕事なんだと、後になって気づきました。
元職人だからできること
今の自分の強みは、単にWebを作れることではありません。
現場で働いてきた経験があるからこそ、
・どこにこだわっているのか
・何を大切にしているのか
・なぜそれをやっているのか
こういった「言葉になりにくい価値」を理解できます。
だからこそ、ただ見た目を整えるだけではなく、
“伝わる形”に落とし込むことができる。
これは、元職人としての経験があるからこそできる、
「当たり前になっている、言葉になる前のこだわりを拾うこと」だと考えています。
なぜ上尾に限定しているのか
正直なところ、最初から「地域を盛り上げたい」という大きな志があったわけではありません。
自分が生まれ育った街で、知っている店や会社の人たちと仕事ができたら面白い。
最初は、それくらいの気持ちでした。
でもWebの仕事をするようになって、少しずつ見え方が変わってきました。
いい仕事をしている。
いいサービスを持っている。
長く地域で商売を続けている。
それでも、Webではその良さが十分に伝わっていない会社やお店があります。
理由は、サービスが悪いからではありません。
日々の仕事が忙しくて、Webまで手が回らない。
何を載せればいいのか分からない。
SNSは続けているけれど、ホームページは何年もそのまま。
そういうことは、決して珍しくないと思っています。
私はもともと、作る側の人間でした。
和菓子もWebも、ちゃんと作ることは大事です。
でも今は、それだけでは足りないとも感じています。
いいものがあるなら、それが伝わる状態までつくる。
そこまで含めて、自分の仕事にしたいと思うようになりました。
全国の仕事をすることもできます。
それでもこれからは、顔の見えない誰かのサイトをたくさん作るより、
自分が知っている街の人たちと関わりながら、少しずつWebを良くしていく仕事を増やしたい。
だから、まずは上尾に絞っています。
大きな言葉で言えば、地域活性化なのかもしれません。
でも、自分にできることはもっと小さいと思っています。
上尾にある一つのお店、一つの会社の魅力が、ちゃんと伝わる状態をつくること。
まずは、そこからです。
