Webコラム

AIがホームページを作れる時代に、Web制作の価値はどこに残るのか?

この記事はこんな人に向けて書いています

  • AIでホームページを作る時代に、Web制作の価値がどこに残るのか考えたい人
  • AIホームページ作成サービスを使うべきか迷っている中小企業・個人事業主
  • AIの進化を見て、これからのWeb制作の仕事について考えている制作者

この記事では、AIで作ったホームページはSEOに不利なのか、技術的に正しければ問い合わせにつながるのか、AIヒアリングはどこまでできるのかを整理しながら、最後に「これからホームページ制作の価値はどこへ移っていくのか」を考えます。

目次
(※クリックで開閉します)
  1. はじめに:AIホームページ制作を見て「これ、普通にかなり良いのでは?」と思った
  2. AIで作ったホームページはSEOに弱いのか
  3. SEOで上位表示できても、問い合わせにつながるとは限らない
  4. ホームページ制作で実際にやっていたことを振り返ってみる
  5. 最初にあったのは「商品の問い合わせが多くて大変」という話だった
  6. 「若い新規客が欲しい」から、30〜40代の主婦という仮説を立てた
  7. 問い合わせフォームは、あえて作らなかった
  8. AIにはできないのは「ヒアリングと判断」なのか
  9. 本人すら、自分の経験の価値に気づいていないことがある
  10. でも、その深掘りまでAIがやるようになったら?
  11. E-E-A-Tの「Experience」で重要なのは、誰が書いたかより「何を元に書いたか」
  12. 「AI vs Web制作者」ではなく、「一般論 vs その会社で起きたこと」
  13. AI時代ほど、ホームページ公開後の「情報の蓄積」が重要になる?
  14. 施工事例だけが「経験」ではない
  15. 「更新頻度を上げればSEOに強い」という話ではない
  16. 会社の経験を拾う仕事までAIが自動化したら?
  17. AI時代に「Web制作者の価値はこれだ」と決めない方がいいのかもしれない
  18. AIが作れないのは、文章ではなく「事実」なのかもしれない
  19. まとめ:ホームページ制作の価値は「作ること」から「事実を蓄積すること」へ

はじめに:AIホームページ制作を見て「これ、普通にかなり良いのでは?」と思った

広告で、お名前.comの「AIホームページパック」を見かけました。

いくつかの質問に答えると、AIが事業内容などをもとにホームページを作ってくれるサービスです。文章やデザイン、画像までAIが生成し、専門知識がなくてもホームページを公開できる仕組みになっています。

Web制作を仕事にしている自分としては、最初は少し身構えるところもありました。

でも内容を見て、最初に思ったのは、

「これ、普通にかなり良いのでは?」

ということでした。

AIだからデザインが微妙、という時代でもありません。

文章もかなり自然に作れます。HTMLやCSSも書けます。titleやmeta descriptionのようなSEOの基本設定もできるし、構造化データだって生成できます。

今の段階で不十分なところがあったとしても、AIの性能がこれから下がっていくとは考えにくい。

数年後には「会社のホームページを作る」という作業のかなりの部分をAIだけで完結できるようになっていても、まったく不思議ではありません。

そう考えているうちに、Web制作者として少し困った疑問が出てきました。

じゃあ、ホームページ制作の価値ってどこに残るんだろう?

「やっぱりプロが作った方がデザインがいい」という話だけでは、いずれ苦しくなるかもしれない。

「AIではSEOができない」というのも、本当にそうなのか。

「AIにはその会社のことが分からない」と言っても、分からないなら質問すればいい。

さらにAIがヒアリングまでして、会社の強みや実績、サービス内容を聞き取ってホームページへ反映するようになったらどうでしょう。

この記事では、「AIでは本物のホームページは作れない」と言いたいわけではありません。

むしろ逆です。

AIがかなり良いホームページを作れる、という前提に立ったうえで、それでもホームページ制作に残る価値は何なのか。

自分自身がこれまで制作してきたホームページも振り返りながら、考えてみたいと思います。

AIで作ったホームページはSEOに弱いのか

最初に一つ、逃げ道をなくしておきたいと思います。

「AIで作ったホームページはSEOに弱いから、結局プロに頼んだ方がいい」

という話です。

少なくとも、Googleの現在の説明を見る限り、これは単純には言えません。

Googleは、生成AIを使ったという理由だけでコンテンツを不利に扱うとは説明していません。

問題になるのは、検索順位を操作する目的で価値の低いページを大量生成するような使い方です。制作方法そのものよりも、ユーザーにとって有用で、正確で、信頼できる内容になっているかが重要だとしています。

またGoogleは、生成AIを使った検索が広がった現在でも、従来からあるSEOの基本的な考え方は引き続き重要だと案内しています。

つまり、

「AIが作ったからSEOに弱い」という話ではない。

ここは今回の話を考えるうえで重要な前提です。

HTMLの構造を整える。

titleを設定する。

内部リンクを張る。

表示速度を改善する。

スマートフォンでも見やすくする。

必要に応じて構造化データを実装する。

こうした技術的なSEOについても、もう「人間のWeb制作者にしかできない仕事」とは言いにくくなっています。

SEOの基本については、以前書いた「初心者でもわかる!ホームページSEOの基本と実践テクニック」で詳しく触れているので、今回は繰り返しません。

今回考えたいのは、その先です。

仮にAIが、

見た目も綺麗で、技術的にも正しく、SEOの基本まできちんと押さえたホームページを作ったとします。

それなら、そのホームページには問い合わせが来るのでしょうか。

SEOで上位表示できても、問い合わせにつながるとは限らない

検索結果の上位に表示されれば、ホームページを見てもらえる可能性は高くなります。

でも、それだけで問い合わせが増えるとは限りません。

検索で見つけてもらうことと、実際にその会社を選んでもらうことは別だからです。

この点については、以前「反応がないホームページの共通点とは?SEO対策をしても問い合わせが増えない原因と改善方法を徹底解説」でも書きました。

SEOはまず「見つけてもらう」ための話です。

そのあとに、

「この会社なら相談しても大丈夫そうだ」

「自分の悩みを理解してくれそうだ」

「他社と比べて、ここに頼む理由がある」

と思ってもらえなければ、問い合わせにはつながりません。

ここで気になるのが、ホームページの中身です。

たとえば、

「地域密着で丁寧に対応します」

「お客様に寄り添ったサービスを提供します」

「高品質な施工を心がけています」

といった文章。

どれも悪いことを書いているわけではありません。

ただ、同じことを言っている会社はたくさんあります。

そして今なら、こうした文章はAIでも簡単に作れます。

では、「この会社を選ぶ理由」になる情報はどこから生まれるのでしょうか。

このことを考えているときに、自分が実際に制作したホームページを振り返ってみました。

ホームページ制作で実際にやっていたことを振り返ってみる

以前、伊勢屋西川口店のホームページを制作しました。

制作実績として見れば、

「和菓子店のホームページを作った」

という案件です。

でも改めて振り返ってみると、制作前にやっていたことは、単に「どんなデザインにしますか」と聞くことではありませんでした。

最初にあったのは「商品の問い合わせが多くて大変」という話だった

オーナーから最初に聞いていたことの一つが、

「商品についての問い合わせが多くて、そのたびに説明しなければならないのが大変」

という話でした。

ここで最初から、

「商品メニューのページを作りたい」

という要望が出ていたわけではありません。

まず、

「毎回説明するのが大変なんですね」

という話があって、

「だったら、その問い合わせを少し減らせたらいい」

となり、

「まず商品情報をホームページに載せてみよう」

という施策につながりました。

さらに、店頭などでも使いやすいように印刷用のPDFメニューも作ることになりました。

つまり最初にあったのは、

「商品ページを作りたい」という要望ではなく、「毎回説明するのが大変」という現場の困りごとでした。

そこから、

困りごと

減らしたい負担

必要な情報

ホームページ上の機能

と考えていったわけです。

「若い新規客が欲しい」から、30〜40代の主婦という仮説を立てた

もう一つ、オーナーからは、

「若い新規のお客さんを増やしたい」

という話もありました。

ただ、「若い人」だけではターゲットとしては広すぎます。

10代なのか、20代なのか、30代なのか。

会社員なのか、学生なのか、子育て世代なのか。

そこで、

「じゃあ、具体的にどんな人を狙うのがよさそうか」

という話をしました。

商品を見ながら、

「おにぎりなら、育児に追われていて、手軽に食事を済ませたい30代〜40代の主婦層と相性がいいんじゃないか」

という仮説を立てました。

これはオーナーが最初から、

「30代〜40代の主婦をターゲットにしてください」

と言っていたわけではありません。

オーナーが持っていたのは、

「若い新規客を増やしたい」

という目的です。

そこから、

「どの商品を入口にするか」

「その商品を必要としそうな人は誰か」

「どんな生活場面で選ばれそうか」

を考え、ターゲット像を具体化していきました。

問い合わせフォームは、あえて作らなかった

逆に、「作らない」と決めたものもあります。

当初はメールフォームを設置することも考えていました。

ホームページなら、お問い合わせフォームがあるのは一般的です。

でもヒアリングをしてみると、

「問い合わせは電話だけでいい」

という話になりました。

メールでの問い合わせ窓口を増やせば、今度はメールを確認して返信するという管理業務が増えるからです。

もともと商品問い合わせへの対応が負担になっているのに、ホームページを作ったことで別の管理業務が増えてしまったら、本末転倒です。

そこで、メールフォームは作らず電話だけにしました。

このことを今振り返ると、結構大事だった気がします。

ホームページ制作では、

「作れるかどうか」と「作るべきかどうか」は別です。

フォーム自体は簡単に作れます。

でも、その機能がその会社の業務に合っているとは限りません。

AIにはできないのは「ヒアリングと判断」なのか

ここまで振り返ると、

「なるほど、こういうところが人間のWeb制作者の価値なんじゃないか」

と言いたくなります。

相手の話を聞く。

困りごとを整理する。

ターゲットを考える。

必要な機能を決める。

不要なものは作らない。

こうしたことこそ、単にページを生成するAIとの違いなのではないか。

一瞬、そう思います。

でも、ここでまた気になります。

これ、本当にAIにはできないのでしょうか。

AIに、

「どんな問い合わせが多いですか?」

「それによって、どんな負担が発生していますか?」

「増やしたい新規顧客とは、具体的にどんな人ですか?」

「どの商品を入口にしたいですか?」

「その商品は、どんな生活をしている人に向いていますか?」

「問い合わせフォームを作った場合、誰が返信しますか?」

と順番に聞かせたらどうでしょう。

かなり近いところまで行ける気がします。

むしろAIなら、こちらが聞き忘れそうな項目まで漏れなく聞いてくれるかもしれません。

現在のAIは、決められた質問を順番に投げるだけではありません。

回答内容に応じて追加質問をしたり、曖昧な答えをさらに掘り下げたりすることもできます。

そう考えると、

「AIは会社のことを知らないから、良いホームページは作れない」

という言い方も、だんだん弱くなってきます。

知らないなら、聞けばいい。

聞き方が浅いなら、深掘りするように設計すればいい。

では、人間に残るものは何なのでしょうか。

本人すら、自分の経験の価値に気づいていないことがある

たとえば工務店の社長に、

「御社の強みは何ですか?」

と聞いたとします。

すると、

「地域密着ですね」

「丁寧な施工をしています」

「お客様に寄り添うことを大事にしています」

という答えが返ってくるかもしれません。

もちろん間違ってはいません。

でも、これだけでは他社との違いはほとんど分かりません。

そこで、少し質問を変えてみます。

「最近、お客様のために、あえて工事を勧めなかったことはありますか?」

すると、

「そういえば、他社では全面交換を勧められていたお客さんが来たことがありました。でも現場を見たら、まだ全部交換する必要はなかったので、部分補修だけにしました」

という話が出てくるかもしれません。

この話になると、「丁寧な施工」とは意味が変わります。

これは単なる自己評価ではなく、実際にその会社で起きた出来事だからです。

「お客様に寄り添います」と書く会社はたくさんあります。

でも、

「売上になる工事を、必要がないと判断して勧めなかった」

という事実があるなら、その会社がどんな基準で仕事をしているのかが少し見えてきます。

しかも、こういう話ほど本人は価値があると思っていないことがあります。

社長にとっては、

「必要のない工事を勧めないのは普通でしょ」

で終わるからです。

でも、その“普通”は、初めてその会社を知る人にとっては普通ではありません。

むしろ会社を判断する材料になります。

ここに、ホームページ制作の面白い部分があるように思います。

単に会社情報を集めるのではなく、

本人が当たり前だと思っている仕事の中から、顧客にとって意味のある情報を見つける。

これもWeb制作の価値なのかもしれません。

でも、その深掘りまでAIがやるようになったら?

ただ、ここでもすぐに反論が浮かびます。

それならAIに、

「抽象的な回答が返ってきたら、具体的な出来事を聞いてください」

と指示すればいいのではないか。

たとえば、

「最近、その姿勢が表れた出来事はありますか?」

「売上よりお客様の利益を優先したことはありますか?」

「他社とは違う判断をした案件はありますか?」

「お客様から驚かれたことはありますか?」

「失敗して仕事のやり方を変えたことはありますか?」

と追加で聞かせることはできます。

AIによるインタビューの研究でも、回答内容に応じて追加質問を生成し、回答を深掘りする方法はすでに検証されています。

つまり、

「深掘りできるのは人間だけ」

という主張も、あまり強くは言えません。

将来的には、ホームページ作成AIのヒアリング自体がかなり高度になっていくでしょう。

「御社の強みは?」

で終わるのではなく、

「それが表れた具体的な出来事は?」

「なぜその判断をしたのですか?」

「お客様はどう反応しましたか?」

「同じ判断をする基準はありますか?」

と掘り下げる。

そうなれば、本人が価値に気づいていない経験までAIが発見できる可能性があります。

だから、

「経験を掘り起こせることこそ人間の価値だ」

とも言い切れません。

E-E-A-Tの「Experience」で重要なのは、誰が書いたかより「何を元に書いたか」

ここで気になるのが、GoogleがE-E-A-Tの中で使っている「Experience」という言葉です。

E-E-A-Tについては先ほど紹介した記事でも触れているので、ここでは詳しく説明しません。

今回考えたいのは、最初のEであるExperienceです。

GoogleがいうExperienceには、実際に商品を使った、実際に場所へ行った、実際にその出来事を経験した、といった一次経験が含まれます。

ここで重要なのは、

「文章を誰が書いたか」より、「その文章の元になっている経験が実際に存在するか」なのではないか。

ということです。

たとえば、

「地域密着で丁寧な施工をしています」

という文章ならAIでも書けます。

制作会社でも書けます。

社長本人でも書けます。

一方、

「昨年、屋根の全面交換を希望されていたお客様の現場を確認したところ、まだ全面交換の必要はないと判断し、部分補修と経過観察を提案した」

という内容はどうでしょう。

文章そのものはAIに書かせることができます。

むしろ事実関係を正しく渡せば、AIの方が読みやすく整理してくれるかもしれません。

でも、その元になっている出来事は、その会社が本当に経験していなければ存在しません。

ここは大きな違いです。

AIが作れないのは文章ではありません。

その会社の過去そのものです。

もちろん、AIに架空のエピソードを書かせることはできます。

でも、それを実際の施工事例や顧客対応として掲載すれば、それは単なる嘘です。

つまり、

「生成できるか」

と、

「正当な一次情報として持っているか」

は別の話です。

「AI vs Web制作者」ではなく、「一般論 vs その会社で起きたこと」

ここまで考えると、そもそも対立軸を間違えていたのかもしれません。

AIが作ったホームページか。

人間の制作会社が作ったホームページか。

この二択で考えると、どうしても「人間にしかできないこと」を探す話になります。

でも実際には、人間が作っても一般的な内容だけのホームページは普通にできます。

「地域密着です」

「丁寧に対応します」

「お客様第一です」

「高品質なサービスを提供します」

「安心してご相談ください」

こうした文章だけで構成されたホームページなら、人間が作ったからといって情報の価値が高いとは限りません。

逆にAIが作ったとしても、その会社の実績や経験、判断基準、顧客からの相談内容、失敗と改善などを十分に与えれば、かなりその会社らしいホームページを作れるはずです。

だとすると、違いは、

AIか人間か

ではなく、

会社情報を綺麗に並べただけのホームページか、

その会社で実際に起きたことが蓄積されているホームページか。

なのかもしれません。

「誰が作るか」より、

「何を材料にして作るか」

の方が重要になってくるのではないでしょうか。

AI時代ほど、ホームページ公開後の「情報の蓄積」が重要になる?

さらに考えたいのが、公開した後のことです。

会社はホームページを公開したあとも営業を続けます。

その間に、新しいことが次々と起こります。

新しい仕事をする。

新しい商品を出す。

お客様から今までになかった質問を受ける。

失敗する。

その失敗をきっかけに仕事のやり方を変える。

新しい設備を導入する。

料金を変更する。

スタッフが経験を積む。

経営者が判断する。

つまり、その会社にしかない情報は、ホームページを公開した時点で完成するわけではありません。

会社が営業を続けている限り、増え続けていきます。

ホームページへ情報を蓄積する意味については、以前「SNSは流れる、サイトは蓄積する。あなたの努力を『資産』に変える方法」で書きました。

今回もう一歩考えたいのは、

何を蓄積するのか

ということです。

施工事例だけが「経験」ではない

会社の経験というと、施工事例や制作実績を思い浮かべがちです。

もちろん、それも重要です。

でも会社で生まれる情報は、それだけではありません。

たとえば、

「お客様からこんな質問をされた」

なら、FAQになるかもしれません。

「この仕事は受けなかった」

なら、なぜ断ったのかを書くことで会社の判断基準が伝わります。

「この方法で失敗した」

なら、その後に何を改善したのかが情報になります。

「使っていた材料を変えた」

なら、なぜ変更したのかを書くことで品質に対する考え方が見えます。

「設備を新しくした」

というお知らせも、なぜ導入し、顧客にどんなメリットがあるのかまで書けば情報の意味が変わります。

そう考えると、蓄積できるのは成果だけではありません。

会社が日々行っている判断そのものも、ホームページの材料になります。

「更新頻度を上げればSEOに強い」という話ではない

ここは少し注意したいところです。

ホームページを継続して更新するというと、

「更新頻度が高いサイトほどGoogleから評価される」

という話になりがちです。

でも、今回言いたいのはそういうことではありません。

意味もなく記事を増やしても、それだけで価値が生まれるわけではない。

重要なのは更新回数ではなく、

会社で新しく生まれた、有用な情報を残していくこと

です。

昨日受けた相談。

先週起きたトラブル。

今回初めてした判断。

お客様から何度も聞かれた質問。

そうしたものが少しずつホームページに残っていけば、数年後にはかなりの情報量になります。

しかも、それは競合サイトの記事を参考にして作った情報ではありません。

その会社が実際に営業してきた結果として生まれた情報です。

会社の経験を拾う仕事までAIが自動化したら?

ここまで考えると、

「これからのWeb制作では、会社で起きたことを見つけてホームページへ蓄積することが重要なのではないか」

という結論に行きたくなります。

そして、

「それこそWeb制作者の仕事になる」

と言いたくなる。

でも、この記事ではそこでもう一度止まりたいと思います。

その仕事までAIがやるようになったらどうでしょうか。

たとえば将来、AIが、

メール。

商談記録。

顧客管理システム。

電話の文字起こし。

会議の議事録。

現場写真。

スタッフの日報。

こうした情報に接続されているとします。

そこで毎月、

「今月、お客様から同じ質問が6件ありました。FAQに追加しませんか?」

「今回の案件では通常とは違う判断をしています。施工事例として紹介すると御社の考え方が伝わりそうです」

「以前公開したページと関連する新しい事例があります。追記しますか?」

とAIが提案する。

さらに担当者へ追加質問をして、

事実関係を確認する。

文章を書く。

写真を選ぶ。

titleを考える。

内部リンクを張る。

構造化データを追加する。

公開する。

そこまで自動化される可能性もあります。

そうなると、

「会社の経験を発見して記事にすることこそWeb制作者の価値だ」

という仮説さえ怪しくなってきます。

AI時代に「Web制作者の価値はこれだ」と決めない方がいいのかもしれない

この記事を書きながら、何度か、

「ここが人間の価値なのでは?」

と思いました。

でも、そのたびに、

「いや、それもAIでできる可能性がある」

となりました。

デザイン。

コーディング。

文章作成。

SEO。

ヒアリング。

課題整理。

ターゲット設定。

情報の深掘り。

事例の編集。

公開後の更新。

今、人間がやっているこれらの仕事の多くは、AIが担える方向へ進んでいます。

だから、

「AI時代のWeb制作者は○○をすべきだ」

と今の時点で綺麗に定義してしまうこと自体、少し危ないのかもしれません。

数年後には、その○○までAIがやっている可能性があるからです。

AIが作れないのは、文章ではなく「事実」なのかもしれない

では、最後に何が残るのでしょう。

ここまで考えてきて、今のところ自分が一番気になっているのは、

その会社で実際に起きたことそのもの

です。

文章は生成できます。

デザインも生成できます。

質問も生成できます。

質問された内容から重要そうな事実を見つけることも、どんどん上手くなるでしょう。

でも、

「昨日、お客様にこういう相談をされた」

という出来事は、その相談が実際に起きなければ存在しません。

「現場を見て、今回は工事をしない方がいいと判断した」

という事実も、その会社が実際にそう判断しなければ存在しません。

「クレームがあったので、それ以降チェック工程を一つ増やした」

という経験も、会社が実際にその失敗と改善を経験して初めて生まれます。

AIはそれを発見して、整理して、読みやすい文章にすることはできます。

でも、元になる現実そのものは、その会社の仕事からしか生まれません。

そう考えると、AI時代に相対的に希少になるのは、

文章を書く技術ではなく、文章の元になる事実なのかもしれません。

まとめ:ホームページ制作の価値は「作ること」から「事実を蓄積すること」へ

お名前.comのAIホームページを見たところから、この記事を考え始めました。

デザインもできる。
文章も書ける。
SEOもできる。
ヒアリングもできる。

そう考えていくと、これまでホームページ制作会社が価値として提供してきた「作れる」という能力は、これから確実に希少ではなくなっていくと思います。

では、ホームページ制作の価値はなくなるのか。

今のところ、自分はそうは考えていません。

価値の中心が変わっていくのだと思っています。

ページを作ることそのものではなく、

  • その会社でどんな仕事があったのか
  • どんな相談を受けたのか
  • なぜその判断をしたのか
  • 何に失敗して、何を変えたのか
  • どんな考えで仕事をしているのか

そうしたその会社にしかない事実を見つけ、Web上に蓄積していくことです。

AIは、それを聞き出せるようになるでしょう。

整理もできる。
文章にもできる。
適切なページに配置することもできる。

だから将来、「それをやるのはWeb制作者なのか?」と聞かれたら、正直まだ分かりません。

AIかもしれないし、社内担当者かもしれないし、Web制作者とAIが一緒にやるのかもしれません。

でも、ひとつだけ変わらないと思うことがあります。

AIが作れるのは文章であって、事実そのものではない。

昨日どんなお客様が来たのか。
どんな判断をしたのか。
なぜ仕事を断ったのか。
何を失敗して、どう改善したのか。

それらは、その会社が現実の中で仕事をした結果として生まれます。

だから、AIがホームページを簡単に作れるようになればなるほど、

「どう作るか」より「何を蓄積するか」の方が重要になる。

今の自分は、そこがAI時代のホームページ制作で一番価値が残る部分なんじゃないかと考えています。